開催日 :
2023年3月14日(火)10:00-11:30
会場  :
オンライン(Zoomミーティング)
参加人数:
10人

令和4年度に実施した多文化共生イベントの成果と課題をまとめ、今後の多文化共生の取組に活かすことを目的として、3月14日に、オンラインでふりかえり会を開催しました。

 

出席者は、各市で本事業の担当を務めてくださったみなさんです。

  • 椋本奈美子さん(松江市国際観光課国際交流係長)
  • 落合智大さん(松江市国際観光課国際交流係)
  • 小川 敦さん(浜田市定住関係人口推進課関係人口係)
  • 鎌田伎恭さん(浜田国際交流協会)
  • 細田良太さん(安来市政策企画課)

また、アドバイザーとして、島根大学外国語教育センターの佐藤智照先生に出席していただきました。

このほか、島根県文化国際課多文化共生推進スタッフの伊藤、当センターの仙田、古曳、佐々木が出席しました。

事業概要

3つの市で実施した多文化共生イベントのレポートは、以下のリンクからご覧いただけます。

松江市

浜田市

安来市

意見交換

各市担当者のコメント

  • 日本人参加者は意図せず子ども連れが多くなったので、交流がうまくできていたかと心配だった。
  • 講師役の日本人が、説明や作業に集中してしまって、思ったほど外国人参加者と交流ができなかったのではないか。
  • 基本的に3回とも同じ参加者だったので、日本人参加者も外国人参加者も、だんだん慣れてきて、少しずつ会話が増えたと思う。
  • イベントで作成した作品(書初めや写真)を、市内の施設等に掲示することにより、イベントに参加していない方にも身近なところに外国人が暮らしていることを意識してもらうことにつながった。
  • 日本人参加者と外国人参加者のペアや混合グループで一緒に活動するようにしたので、自然と交流が生まれていた。
  • 従来から外国人参加者だけで文化体験をすることはやっていたが、そこに日本人参加者も加わってもらうことにより、お互いの接点を作ることができた。

アドバイザーのコメント

  • 公共施設巡りは、外国人の抱えている困難を理解することにもつながると思った。いつどこで何をしたらいいかという情報を、外国人住民に伝えることはとても重要。
    この活動が、今後、外国人から見た困難点などの共有、行政サービスの改善につながって、外国人が生活しやすい多文化共生社会につながることを期待する。
  • 単にグループになって話してくださいと指示するだけでは、なかなか交流が進まないものだが、文化紹介でグループワークやものづくりを取り入れることによって、コミュニケーションがとりやすくなっていたと思う。
  • 特に外国人の子どもにとって、このような文化体験の機会があるのはとてもいい。
    例えば折り紙一つとっても、日本の子どもたちと比べると経験が少なく、保護者もよく知らないことがある。小学校に入って「折り紙を作ってきてください」という宿題が出てもどうしたらいいのかわからないだろう。
    こうしたイベントがあると、子どもは「これ知ってる、やったことある」ということが増えていくし、保護者も文化的情報を増やしていくことができる。

日本人参加者の募集方法や当日の役割について

  • 今回は、多文化共生についてある程度ご存じの方や、過去にセミナーやイベントに参加したことがある方に絞って募集した。
  • もともと国際交流や多文化共生に関心のある市民や学生に対して募集をかけたので、イベント当日の活発な交流につながったと思う。こうした取り組みを広く一般市民にも広げていくことは今後の課題。
  • 多文化共生に、ちょっと興味のあるという方に来てもらおうと思って広く募集をかけたが、説明不足で子ども向けイベントと捉えられてしまったかもしれない。
  • いろいろな人に関わってもらわないと多文化共生の裾野を広げていくことにつながらないので、今までやったことがない、あまり関心がないという方を巻き込んでいくことも需要。
  • 一方で、後日、作品を展示するといったことを、それぞれやっておられたように、イベント後に成果を周知していくという形で裾野を広げていくこともできると思う。
  • 県では、日本人住民向けの多文化共生セミナーも開催しており、そちらでも裾野の拡大に取り組んでいる。今回の多文化共生イベントは、外国人住民が地域とのつながりをもってもらうことが大きな目的なので、ある程度、外国人との交流に慣れているような方にサポートしてもらうイメージで募集をかけてもいいかもしれない。
  • 日本人参加者側は、普段は国際交流にあまり関係がないグループに講師役をお願いすると新たなつながりが生まれるのではないか。
  • 外国人参加者にとって、自分の住んでいる市で頼れる人を知ってもらえたという成果は大きいと思っている。

若い世代の人たちの参加について

  • このようなイベントに参加する人たちは年齢層が高い。若い世代の人たちに関心をもってもらうにはどうしたらいいか。
  • 講師役として高校生にお願いをしたり、市報を見て参加した方は子育て世代も多く、全体を通して、年齢のバランスは取れていたと思う。
  • もともと学校とのつながりのある外国人地域サポーターの方が中学生や高校生に声をかけてくれた。
  • 学生の募集は、国際交流や異文化コミュニケーションに関心のある学生のサークルや学校の窓口を通じてお願いすると伝わりやすい。
  • 募集方法も、LINEなどやりとりしやすいような手段を使ったり、WEBの申込フォームなどがあると応募してもらいやすい。
  • 子育て世代は、自分自身はそこまで関心がなくても、子どもには体験させたいと思っている方達が結構いらっしゃる印象。
  • 子ども連れで参加しやすいイベントにすると、そういった世代の参加者を増やせる。
  • 技能実習生を雇用している企業の担当者にも、一緒に参加しませんかと声がけできるといいのではないか。
  • 大学生は試験期間中や春休み、夏休みに重なると参加しにくいこともあるので、確実に参加してもらおうと思えば、学期中のイベント開催が望ましい。

参加者同士の交流の継続や地域とのつながり作りについて

  • イベントを3回開催することにより、参加者同士の交流の継続や地域とのつながりを作っていくことが目的の一つだったが、その点についてどのような成果や課題があるか。
  • 個人的に連絡を取り合って遊びに行ったとか、一人で市役所や図書館を利用したとか、家でも書初めをやって職場に自分の作品を飾ってもらったとか、いろいろな反応があった。
  • イベントに参加した議員さんから議会で多文化共生に関する質問があり、市民にも知っていただくきっかけになった。
  • 参加者同士のつながりができたということは耳に入っていないが、イベントの会場が日本語教室の場所だったので、イベントに参加したことがきっかけで日本語教室に申込みをしたという人がおられた。
  • つながりについては把握できていないが、今回のイベントを通じて裾野の広がりを感じることができた。

これから取り組んでみようと思っている自治体へ一言

・事業費の補助があるので、これから始めてみたいという自治体にとってもチャレンジしやすい取組だと思う。

各市からの提案・要望

  • 今回は県の取組だったので市外からの外国人住民の参加も受け付けた。市単独ではなく複数の自治体が一緒に広域で開催するということもできるようになるといい。
  • 県やセンターの事業は、毎年、地域のバランスを見ながら実施されていると思うが、ある程度その見通しなどの情報を共有していただけると、市としてもこれは単独でやろう、これは協働でやろうというようなことを計画しやすい。
  • 自治体同士の情報交換や意見交換があって、いい企画が生まれている。オンラインでもいいので、県にはこのような機会をもっと増やしてもらえるとありがたい。
  • 複数自治体が合同でイベントを開催できれば、もっといろいろな人に多文化共生について関心をもってもらえるよう発信もできると思うので、ぜひ検討してほしい。

アドバイザーから今後に向けての助言

  • 日本・島根を知ってもらうことに加えて、日本人側が外国人側について知るという視点ももってもらうといい。
  • 日本人側の意識啓発、多文化共生につながる取組として、例えば、合同で講演会やパネルディスカッションをやって外国人視点の話を聞いたり、市単独でも日本語スピーチコンテストをやる等して、その準備過程で継続的に日本人と外国人がやりとりをしていくこともできると思う。
  • 幅広い年齢層と幅広い対象を想定したイベント開催を検討してほしい。従来、成人を想定されたイベントが多いが。さまざまなライフステージや生活層に向けたものを考えていただくことによって、様々な人が参加しやすくなるし、同じような立場の人同士の交流がしやすくなると思う。

以上