開催日 :
2023年8月5日、8月19日、9月9日、9月10日
会場  :
出雲市民会館(出雲市)、いわみーる(浜田市)、オンライン
参加人数:
30人

外国にルーツをもつ子どもたちを支援するボランティア「子どもサポーター」の研修を全3回の日程で開催しました。参加者は子どもたちの置かれた状況や背景、課題を知り、学習支援の方法について学びました。

研修の内容と様子

第1回

◆日時:8月5日(土)9:30-12:30
◆会場:いわみーる(浜田市)、出雲市民会館(出雲市)

第1回目は、JICA中国 新川 美佐絵 さん、JICA島根県デスク 舛本 才智 さんによる国際理解ワークショップで、初めに言葉を使わないコミュニケーションを体験しました。

「外国にルーツをもつ人の話をきいてみよう」では、多文化ユースプロジェクト 姚 藝(ヤオ イー) さんと星玖 藤原 愛紗(シェイク フジハラ アイシャ) さん、元JICA日系サポーター研修員 井出 リエ さんの3名からオンラインで学校や勉強、就職などについてお話を聞きました。

島根県の外国人住民の状況、島根県と出雲市における外国にルーツをもつ子どもたちの状況の説明を聞き、現状について知りました。

異文化理解ワークショップ

外国にルーツをもつ人の話をきいてみよう

参加者の感想

  • 言葉をつかえない、自分の気持ちを伝えられないことのもどかしさや困難さを体験することができました。言葉だけでなく表情や行動から相手の気持ちを思いやる、察することの大切さに気付くことができました。
  • 言語を使わず意思を伝える難しさを体感しました。文化の違いがあればなお感じると思います。よい体験でした。
  • 3人の外国にルーツをもつ人の話を聞き、みんなそれぞれに悩みを抱えているのだと感じました。受験や進学で大変なこともたくさんあったと思うが、皆さん努力して夢に向かって頑張っている様子が伝わりました。
  • 実際に体験談をお聞きすることができ、自分の中での理解が深まりました。だれもが理解できるとよいと感じました。今県内に在学している外国にルーツのある子どもたちにも今日の3人の方のお話を聞いてもらうと勇気づけられると思いました。
  • 外国人の生徒の進路や受験についてほとんど知らなかったため、支援の継続が必要であると感じました。学校現場での支援実践が参考になりました。

第2回

◆日時:8月19日(土)13:30-16:00
◆方法:オンライン(Zoom)/オンデマンド視聴

認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ(ME-net) 高橋 清樹 さんを講師に迎え、外国にルーツをもつ子どもの状況と日本語指導の基礎知識の講義を行いました。

参加者は、全国調査に基づく外国にルーツをもつ子どもの状況や島根県の特徴、また子どもたちのライフコースにおける4つの壁やセーフティーネットの重要性等、言語発達のプロセスなど支援ついての基礎を学びました。

また外国人児童生徒の教育の権利や諸課題について分かりやすくご教授いただき、ME-net の事業紹介等を通して子ども支援に関するヒントを多くいただきました。

SIC外国にルーツをもつ子どもの学習支援事業の説明

外国にルーツをもつ子どもの状況と日本語指導の基礎知識の講義

参加者の感想

  • 日本語指導のためのツールは知らなかったので、勉強になりました。また、日本語と母語の獲得の難しさ、基礎学力をつけることの大切さ、子どもたちの居場所の確保の必要などを講義で知ることができて良かったです。
  • 外国ルーツの子どもの状況の実際に関してほとんど知識がなかったので、とても勉強になりました。生徒が自分から学ぶ力の重要性を認識しました。自分で学べる最新の手立てについてたくさん知ることができ、非常に満足しました。
  • 発達段階に即して4つの壁があることなどの広い視点と、具体例などの細かな視点と両面から、説明していただき、分かりやすかったです。子どもの、「日本語で言いたい、書きたい」という思いを大切にしなければと改めて感じました。
  • 外国にルーツをもつ子どもたちに義務教育はなく、また就学不明の子どもたちがたくさんいることなど、知らないことばかりで驚きました。学習支援だけでなく、心の支援をして1人1人に寄り添っていく必要があることがわかってよかったです。

第3回

【西部】日時・会場:9月9日(土)13:30-16:00 いわみーる(浜田市)
【東部】日時・会場:9月10日(日)9:30-12:00 出雲市民会館(出雲市)

第3回目は高橋先生に来県していただき、参加者は、「地域で実践!外国にルーツをもつ子どもへの学習支援」の講義とグループワークで、実際の指導方法について学びました。

先生には、すでに子どもの支援活動に携わっている方には明日からすぐにでも使えるような具体的な指導方法をたくさんご紹介いただき、講義で紹介された講師お勧めのテキストを早速使用してみたい、という参加者もありました。
また、グループでケーススタディや情報交換をして理解を深めました。

講義の様子

グループワークの様子

西部会場の様子

西部会場の様子

参加者の感想

  • 具体的な事例やテキスト、指導方法など詳しく教えていただき、とてもためになりました。様々な地域の方といろいろお話できて有意義でした。
  • 効果的な学習支援を具体的に教えてくださり、実際に役立てられそうだと思いました。またグループワークで支援のいろいろな方法を話し合ったりと問題を一人で解決せず、いろんな方の意見を聞いて、サポートしていったほうが良いということを実感しました。
  • 「効果的な学習指導」のポイントがたくさん知れたのでとてもためになりました!!これからの日本語支援ボランティアの実践活動にもこれらのポイントを活かしていきたいと思います。
  • 日々の実践の振り返りになり、また新たな課題も見つかり具体的に取り組む方法についても示唆が得られました。情報交換の良い機会も得られ良かったです。

実施

主催:しまね国際センター

共催:JICA中国

この事業は、一般財団法人自治体国際化協会多文化共生のまちづくり促進事業の助成により実施しました。