~外国につながる人たち~(15) アレックス・チラさん
掲載
今年の初夏に開催された国際交流イベントにて、調理では鮮やかな包丁さばきを見せ、日本の昔遊びではお手玉をジャグリングのように操り、ギターを渡せば即興で弾き語りを披露してくださったチラさん。普段は学校でALT(外国語指導助手)をされているそうですが、まだまだ面白い引き出しをたくさんお持ちなのではと思い、お話を伺ってきました。
SIC: 現在益田市内でALTをされていますが、どういう経緯でALTという職業に就いたのですか。
チラさん:来日したのは去年の8月ですが、高校3年生のときに一度東京でホームステイをしたことがあります。その時に、「また来たい!日本で仕事をしながら住みたい!」という想いが芽生え、大学生の時にALTに申し込みました。元々は子どもの頃にテレビで日本のアニメのドラゴンボールやガンダムを観て、日本に興味を持ちました。
出身はアメリカのフロリダで、ボストンにある大学に進学したため4年間都会にいました。益田に来たときは、とても静かで、皆さんが優しくて、癒されました。
SIC: 日本の子どもたちや学校はいかがですか。アメリカの学校との違いは?
チラさん:今は小・中学校に入ってALTをしていますが、子どもたちは可愛いですね!大学生の時は子どもと接することがなく、実は子どもが苦手だったんです。でもALTになったら面白くて、今は楽しみながらやっています。ただ、ALTというのは毎回明るく元気よく笑顔でテンションを上げて「Hello~!」と挨拶をしなければいけないので、最初はそのことに驚き、また大変でした(笑)。
子どもたちからよく受ける質問は「何歳?」「結婚していますか?」ですが、「30代」と言われたときはショックでしたね(笑)。まだ25歳なので。
アメリカの学校と少し違うところもあって、日本の先生は結構厳しいですね。姿勢を正したり、授業前に礼をしたり…アメリカではありませんでした。給食は同じようにありますが、アメリカでは学食で食べますし、日本と比べてヘルシーではないですね。
SIC: 島根で暮らしてみて、いかがですか。大変なことなどありましたか。
チラさん:一番大変だったのは、大学の時は常に友人と一緒にいたのですが、こちらに来てからは一人で過ごすことも多く、初めはとても寂しかったです。今は友人もたくさんいて楽しいですよ。
SIC: 多趣味なチラさんですが、最近はどんなことをされていますか。
チラさん:運動が好きで、最近はボルタリングを始めました。ランニングも好きで、萩・石見空港マラソンにも出場しました。ボクシングジムにも通っているし、週1回は友人と総合格闘技の練習をしています。以前はバレーボールや合気道もしていて、中学校ではレスリング、高校ではギターやパーカッションをしていました。歌も好きなので、益田市内のバーで時々歌わせてもらったりもしています。新しいことをしたい、常に挑戦していたいという気持ちがあり、大学では放送ジャーナリズムを学んだのですが、最近は映画を撮りたいと思っています。
SIC:今後について、聞かせてください。
チラさん:そうですね、もっといい先生になりたいと思っています。生徒に色々なことを教えてあげたいし、外国に興味を持って欲しいですね。子どもたちには、外国のこと、例えば音楽とかテレビとか何でもいいので興味を持つと良いと伝えたい。そこから自分で調べるといいですね。そうすれば、いつかその興味が面白いことや自分の未来に繋がるかもしれません。
あとは、今やっているボクシングで試合に出たいですね!
■最後に
多くの子どもたちにとって、最も身近な外国人といえるかもしれないALT(外国語指導助手)の皆さん。学校では外国語や外国文化などを教わっていますが、新しいことにチャレンジしたり人生を楽しんだりしている、そんな身近なお兄さんお姉さんたちと関わりながら子どもたちには大いに刺激を受けてもらいたいと思いました。島根で映画を撮りたいとのことでしたが、作品ができたらぜひ見せてください!楽しみにしています。
(公財)しまね国際センターは~外国につながる人たち~を応援しています