今回はロシア出身で、元島根県国際交流員のナタリアさんにお話を伺いました。交流員として4年間勤めた後も島根に残る道を選び、現在は松江市内の企業でお仕事をされているそうです。ナタリアさんの目に、島根はどのように映っているのでしょうか。


SIC:現在はどんなお仕事をされているのですか?

ナタリアさん:映像制作の仕事をしています。島根と海外を繋ぎ、魅力を伝えられるクリエイティブな仕事を探していました。今はまだ簡単な映像を作らせてもらったり、知識を深めたりしているところですが、いつか島根の人たちの普通の暮らしを紹介できる映像、有名な作家に負けない素敵な映像を作りたいと思っています。

松江フォーゲルパークにて。

松江フォーゲルパークにて。

今まで色々なところに行きましたが、島根は一番ご縁ができた場所だと感じています。島根から離れたくない、何かできることがあるはず、と思って仕事を探しました。前職の国際交流員では、ロシアに日本からの訪問団を連れて行くことがあったのですが、1時間で着く場所にいながらお互いにあまり知らない。でも、紹介すれば皆が笑顔になって…人と人を繋ぐ仕事ができることを、とても嬉しく思いました。交流員の任期が終わったら、自分が何をしたいのかずっと考えていたんですが、日本とロシアを繋ぐ架け橋になりたいと思いました。

国際交流員をしていた頃。習字ワークショップの通訳をしました。

国際交流員をしていた頃。習字ワークショップの通訳をしました。

SIC:日本で暮らしてみて、いかがですか?ロシアと違うところなどは?

ナタリアさん:日本は社会を大切にしていて、周りを気にしますね。自分ののどが渇いたときでも、日本人は周りの人のことを気遣い、私にはそんな日本が合っている気がしました。日本は年齢で上下関係が決まりがちだと感じる時もあります。ロシアでは年齢より経験の方を重視して、気楽に意見を言い合える雰囲気があります。年が違うだけなのだから、みんな尊敬しあった上で、一つの目標に向けて楽しく歩めたら良いなと思います。

私は多民族国家ロシアにあるアジア系少数民族の一人で、スラブ系のロシア人が大半の人口を占めるロシアでは、私も金髪で目の青いロシア人の美女に生まれれば良かったなとよく思いました。でも、日本に来てみたらみんな同じ顔で、安心しました(笑)。日本は生活しやすく、自分に余裕ができて、やりたいことに集中できます。

大好きな松江城。数えきれないぐらい足を運びました!

大好きな松江城。数えきれないぐらい足を運びました!

SIC:日本に興味を持ったきっかけは何でしたか?

ナタリアさん:兄の影響でアニメが大好きになり、兄から日本の話を聞きました。アニメを通した日本は綺麗でカラフルで…実際に来てみると、思った以上に印象が鮮やかで大好きになりました。
また、ロシアにいた頃、イルクーツクに来ていた島根出身の留学生と仲良くなり、彼女にはたくさん助けてもらったし、支えになっていました。私が日本に来ることは二人の望みでもあり、これもご縁があったのだと思います。

私が島根に住むと言った時、初めは父の反対を受けました。そこで一度こちらに連れてきて、島根の良いところをたくさん見せて、島根を大好きになってもらいました(笑)。暖かいし、和食も口に合って、年中野菜の種類も豊富。本当の日本を見たいなら地方へ行った方がいい、とよく言いますが、島根は昔ながらの日本が残っていて、美しくて景色も綺麗で…癒しの街だと思います。

えびす・だいこく100キロマラソンに参加しました!

えびす・だいこく100キロマラソンに参加しました!

交流員という仕事を通してたくさんの出会いがありましたし、日本の社会をはじめ、たくさんのことについて学ぶことができました。人の気持ちを読み取れるようになったのも、国際交流員という仕事を通して得たものだと思います。今の仕事の内容も新しいことが多く、大変ですが、日々勉強なので頑張ります!


■最後に

地域のランクラブやバドミントンサークルにも所属し、ジョギングや登山、スノーボードなど身体を動かすことが大好きなナタリアさんには、島根にそんな仕事以外の仲間もたくさんいるそうです。新しい職場でも周りに支えられ、困ったときにすぐに助けに来てくれる方がたくさんいて心強いと、少し出雲弁交じりの日本語でお話してくださいました。島根に自分の居場所を見つけたナタリアさん、外国と島根の架け橋として、今後のご活躍を期待しています!


(公財)しまね国際センターは~外国につながる人たち~を応援しています