海外の様々な国を旅し、日本国内でも数回の引っ越しをされ、現在は益田市で可愛い猫たちと一緒に、古民家に暮らす、カナダ出身のアニー・プラットさんにお話しを伺いました。


SIC:古民家にお住まいだと伺いましたが、どんなお家ですか?

一番お気に入りの玄関のシンボルツリー”松”。赤い旗は、灯油を給油してもらいたい時に立てる旗だそうです。

アニーさん:とても可愛い、小さな庭のある古い一軒家です。小さな庭には、梅、ツツジ、アジサイ、花の咲く木がたくさんあります。それに、柿の木、みかんの木もあって、今ちょうどそのみかんの木に花が咲いて、とてもいい香りがします。これから、庭を整備して、畑で、ハーブや、野菜を作りたい。ブルーベリーガーデンも作りたいと思っています。割れた瓦が庭にたくさんあるので、その瓦をレンガのように重ねて、畑の囲いを作るつもりです。来週シルバーセンターの人が草刈りに来てくれます。庭の大きな木も切ってくれます。畑作りはそれからかな。家具のリメイクをしたり、鳥のエサ入れを作ったり、休みの日も忙しいです。

SIC:なぜ益田に?

ごみとして捨てられるところだった陶器のお皿を譲り受け、小鳥のエサ入れを作成。

アニーさん:以前は関東に住んでいたのですが、その後、少し日本を離れました。また日本に戻ることを考えていた時、山口で求人を見つけ、山口に来たのが西日本に来た最初です。その後、知人に手伝ってもらいながら住む家を探していた時に、益田でこの可愛い家に運命的に出会い、今益田に住んでいます。益田市の窓口の人たちは本当に親切で、あの人たちに出会えなかったら、今私はここにはいないと思います。他の市でも家を探しましたが、益田市の人たちが一番熱心で、親切でした。これから、まずスクーターの免許を取るつもりです。これまで関東にいたから、免許がなくても困りませんでしたが、ここでは免許がないと困りますね(笑)。

SIC:自然の中がお好きなら、島根は海もあるし、山もあるし、良いところでしょう?

一目惚れした洗面所

アニーさん:そうですね。そういえば、先週足がたくさんある虫に足を咬まれました。すっごく痛かった!(※”ムカデ”と教えました。)ムカデはどんな隙間からも家の中に入るそうです。ネットで調べてみたら、ラベンダーと何かのアロマオイルを混ぜて隙間に吹きかけておくと、入ってこないと書いてあったので、急いでオイルを作らないと。日本の昆虫はゴキブリも、クモも全部大きいですよね?最初日本で見た時びっくりしました。どちらも普通の虫ですが、例えば日本の人が10円玉ぐらいのてんとう虫を見たらびっくりするでしょう?あんな感じです。日本は虫が大きくて、動物が小さい。カナダは虫が小さくて、動物が大きい!日本の熊のイメージは可愛い感じでしょう?でも、カナダで熊は怖い動物ですよ。

SIC:畑を作ったり、免許を取ったり、することがたくさんありますね。

アニーさん:したいことがたくさんあります。新しい自転車も買ったので、自転車で遠出もしたいです。十数年前初めて日本に来た時、寮から学校に通うのに、”ママチャリ”を買いました。日本人は自転車の座るところを低くして乗りますよね?あれじゃ、漕ぐ足に力もいるし、折角の自転車なのに、早く走れないと思います。座るところを足が少し届くくらいに高くして、体重をかけて踏めば、もっと楽に乗れるのに!ママチャリは全然走れないことがわかっているので、今回はすごく良い自転車を買ったんですよ。この自転車が到着したその日に、嬉しくて1時間くらい走り回ったら、今はおしりが痛くて、自転車に乗れません(笑)

SIC:これから島根でしたいことがありますか?

ジャングルのようだった庭の木々も丸くカットされました。

アニーさん:猫カフェをしたい!野良猫を保護して、きれいにして、その猫ちゃんと一緒に暮らしてくれる人に繋げたいと思っています。私はお茶が好きなので、お茶をベースに、私がこれまで行った国々で出会ったいろんな飲み物を提供するカフェを作りたいです。お店の名前ももう決めました。Kitty(猫、キティ)とTea(茶、ティー)を合わせて、kittea(キティー)カフェです。どうですか?一緒にしてくれる仲間がいれば、ぜひ一緒にしたいです。興味がある方はぜひ連絡してください!


■最後に

自然志向で、ベジタリアンのアニーさんはムカデに咬まれても薬はつけず、風邪が長引いても病院にはいかず、身体の声に耳を傾けながら、必要なものを食事で取っているそうです。いろんな野菜や、果物を自分の庭で育て、それをカフェで提供したいと将来の夢を話してくれました。仕事で忙しい時や、気分転換に外食をされるようですが、「ここにはベジタリアンが気軽に行けるレストランが1,2軒しかない。」と言います。今回お話を伺いながら、世界には思想、志向や、宗教で食事を選ぶ人達がいて、実は、みんなで一つのテーブルを囲み食事をすることが容易ではないということ、でも、そんな人たちが身近にいるんだということを改めて認識しました。


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