~外国につながる人たち~(27)佐々木リズキさん
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益田市内の日本語教室「ともがき」で日本語を学ぶ佐々木リズキさんは、3年前にインドネシアのスマトラ島から来日し、今年の4月からは市内の高校に通う高校生。今回はお母さんのヤユさんも一緒に、日本での学校生活や故郷インドネシアのことなどについてお話を伺ってきました。
SIC:島根に来られたのはいつ頃ですか?
リズキさん:約3年前、中学1年生のときに益田に来ました。初めは日本語が全然わからなかったし、日本にまだ慣れていなくてとても不安でした。弟に日本語や学校のことをたくさん教えてもらいました。弟は日本で生まれて日本で育っているので、日本語ができます。
SIC:来日したばかりの頃、学校生活はどうでしたか?
リズキさん:最初の1年ぐらいはとても大変だったけど、すぐに友達ができて、友達が色々と教えてくれたり、困ったことがあると助けてくれたりしました。みんなすごく優しかった。
ヤユさん:みんなとても温かくて、優しくて、本当に助かりました。初めは私もいじめの心配などしていたのですが、すぐに友達もできて安心しました。息子の通っていた中学校には、以前にもインドネシアの生徒がいたようで、先生が時々インドネシア語で声をかけてくれることもあったんですよ。
SIC:それは心強いですね!日本語の勉強はどのようにしましたか?
リズキさん:国語の時間には、別の教室で日本語の勉強をしていました。日本語を教えてくれる先生がいて、本当に分かりやすく教えてくれました。他の授業でも、近くにいて分からないときに教えてくれたりしました。この先生たちがいなかったら、きっととても困っていたし、とても不安だったと思います。あとは、日本語教室と家でもたくさん勉強しました。
ヤユさん:日本語教室には、私も来日したばかりの頃にしばらく行っていました。色々と教えてもらえたし、とても分かりやすかったです。
SIC:今年から高校生ですね。学校はどうですか?
リズキさん:楽しいです。勉強は大変だけど、友達と話したりするのが楽しい。軽音部に入って、ギターを弾いています。今度高校の文化祭で「水平線」という曲を演奏する予定なので、今練習しています。
SIC:インドネシアの学校と日本の学校では、違いがありますか?
リズキさん:インドネシアの小学校は、午前中だけで終わりです。午後はずっと遊んでいました。僕が住んでいたところでは小学校の3、4年生ぐらいからバイクに乗っていて、バイクで登校する子もいます。通るのは小さな道だけですが、学校が終わってからバイクに乗って遊んだりもしていました。
SIC: 小学生でバイクに乗れるなんて、すごい!他にはどんなことをして過ごしていましたか?
リズキさん:家ではヤギや羊、牛や鶏を飼っていたので、みんなで草を取ったり…とても自然が豊かなところなので、家の裏にある木からフルーツを取って食べたり。ランブタン、マンゴー、ドリアン、アボカド、バナナ、ココナッツなどたくさんのフルーツがあって、好きなときに食べられます(笑)。蛇みたいな皮のサラクというフルーツも大好きで、甘くてとっても美味しいですよ。日本では見かけないフルーツがたくさんあります。
あとは川で魚を捕ったりもしていました。自分で鉄の棒に輪ゴムを引っかけて鉄砲のような道具を作り、それを使って魚を捕まえます。日本では勝手に川で魚を捕ったら怒られますよね?インドネシアの家の近くでは、自由に捕ることができます。とても楽しいですよ!
ヤユさん:インドネシアでもジャカルタのような都会はとても暑いですが、私の故郷は自然がたくさんあって涼しいです。自然が本当に豊かで、とても楽しいところなので、子どもたちも大好きです。
SIC: 将来は?
リズキさん:日本で仕事をして知識や技術を身につけてから、インドネシアで商売をしたいです。まずは屋台から始めて、そのうちレストランを開きたい。(ヤユさん:私は隣でたこ焼きの屋台をしようかなぁ(笑))たこ焼きは、今インドネシアでも大人気で、長い行列ができます。日本の焼肉、お好み焼きなども人気ですよ。インドネシア料理は辛いものが多いです。でもまずは高校生活あと3年間、勉強を頑張ります!
■最後に
日本語がまったく話せない状態で日本の中学校に入ったリズキさん。きっとその時の不安や苦労は大変なものだったと思います。「日本語の先生や友達など、周りの皆さんがもう本当に優しくしてくださって…本当に助かりました」と、感慨深そうにお話してくださるお母さんの姿がとても印象的でした。また、お二人が目を輝かせながらインドネシアの自然やフルーツの話をたくさんしてくださるので、私も行って(食べて)みたくなりました!妹さんも、インドネシアが大好きなのだそうです。将来の夢に向かってコツコツと頑張るリズキさん、陰ながら応援しています!
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