~外国につながる人たち~(2) メリッサ・ハントリー・大室さん
掲載
台風の影響で雨曇りが続いていたある日、元気いっぱいのメリッサ・ハントリー・大室さんにお話を伺うことができました。メリッサさんは県立大学浜田キャンパスで非常勤講師として英語の指導をされています。職場である県大語学学習支援室(LLSR)を訪ねてみました。
SIC:こんにちは。このお部屋は大きな窓があっていいですね。
メリッサさん:そうなんです。一昨日から葉っぱが赤くなっています。季節のきれいな景色が見れていいですよ。とても気持ちがいいです。
SIC:ご出身はどちらですか?
メリッサさん:アメリカのアイオワ州です。知らないでしょ?みんな知らないです。アメリカ人も知らないです。だから知らなくてもダーイジョウブ!アイオワはなぁーんにもないです。日本人の主人を初めてアイオワの家に連れて帰った時、車で空港から家に向かう2時間の間「景色がずーっと変わらないね…」とびっくりしていました。
SIC:島根に来られたきっかけはなんですか?
メリッサさん:元々中学生の時にアニメとか、サムライ、忍者の国日本に興味を持っていました。大学の時、担当の先生が日本のJETプログラムを教えてくれました。「田舎に住みたい!」と希望を出したら、派遣先が島根の隠岐の島に決まりました。隠岐の島は海もあって、山も緑もあって、すごく良いところ。でも海が多すぎた。だから隠岐の島を離れました。その後江津にいて、今浜田にいます。
SIC:海が多すぎた(笑)
メリッサさん:そうです。ちょっと多すぎた(笑)。でも、私にとって隠岐の島は日本の故郷ですから、今年の夏も隠岐の島へ2週間里帰りして来ました。楽しかったし、嬉しかったです。
SIC:島根県内を移動されてるんですね。
メリッサさん:隠岐の島の時知り合った主人と結婚し、ずっと島根県にいます。今は一緒に住んでいますが、二人の仕事の関係で、島根県内で何度も遠距離恋愛をしました。ケンカもしますよ。まだつきあっていた頃、私のアパートから二人で出掛ける時に、私が忘れ物をして、靴のまま2,3歩だけフローリングの廊下にあがりました。主人はその時とても怒りました。「ダメ!靴脱いで!」って。でも私たちからすると、靴を履いて家の中に入ってもただ「汚れる」だけで、後で掃除して「キレイ」にすればいいだけ。でも主人は「違う!ここは日本!」、私は「ここは私の家!私が掃除する!」と言い合いになりました。これは日本人が神道であることと関係していると思います。日本人は意識していませんが、生活の中に自然に信仰が入っています。玄関で靴を脱ぐことも、神社がそうであるように、内と外を分けるためです。引っ越し屋さんが荷物を持って来た時も、大きな重い家具を持ってふらふらしながら私の部屋に入ろうしたから、「危ないから、靴のまま中に入って!」と言いましたが、引越し屋さんはやっぱり靴を脱ぎました。私が後で「キレイ」にするからいいのに。玄関は靴の壁ですね(笑)
SIC:内と外がある日本の家には慣れましたか?
メリッサさん:家といえば、日本のキッチンは狭いですよね。私は広いキッチンと友達が集まってパーティーできる広いリビングが欲しいです。キッチンにはクリスマスクッキーを作る時にも必要なカウンタースペース(作業スペース)が欲しい。半島キッチン(※1)がいいです。
SIC:夢の半島キッチンと広いリビングが手に入ったらパーティーに呼んでくださいね。楽しいお話しありがとうございました。
■最後に
メリッサさんとご一緒したある日のランチ。メリッサさんのお弁当は自前の人参、かぼちゃ、お肉の煮物に、わかめとお豆腐の入ったお味噌汁でした。「こんなの簡単ですよ。」「ご飯は全部主人に食べられてもうなかった!だからご飯なし。」と大きく笑うメリッサさん、ランチを終え、散歩しようと外に出るとさっきまでの雨も止み、眩しい太陽が出ていました。
(公財)しまね国際センターは~外国につながる人たち~を応援しています。