コミュニティ通訳ボランティア養成講座
掲載
- 開催日 :
- 2016年6月25日・26日・7月2日・3日
- 会場 :
- 島根大学医学部看護学科棟(出雲市塩冶町89-1)
- 参加人数:
- 40人(英語18・ポルトガル語12・中国語9・その他1)
県内の外国人住民数は年々増え続けており、生活の様々な場面でことばの壁を取り除くための通訳サポートの必要性が高まっていることから、コミュニティ通訳ボランティア養成講座を開催しました。
内容
概論(講義) 6月25日(土) 13:00 – 16:00
養成講座初日は、NPO法人多言語センターFACIL理事長の吉富志津代さんから、実例なども交えて、コミュニティ通訳として知っておきたい「多文化共生」や「コミュニティ通訳の役割」などについてお話を伺いました。
まず、「だれも排除されない社会のために~「コミュニティ防災」で考える多文化共生~」と題して、コミュニティ通訳の活動をするにあたって、地域の多様な人たちの存在に気づき、誰もが排除されず「居場所」と「出番」を持つことのできる成熟した社会を目指すことの大切さを、「防災」の観点からお話しいただきました。
そして、「コミュニティ通訳とはなにか~双方向のコミュニケーションのための『ことば』~」と題して、コミュニティ通訳に求められる役割や、活動の分野、通訳する上でのチェックポイント、倫理観や自己管理などについて解説いただきました。
医療分野(講義・演習) 6月26日(日) 10:00 – 16:00
講座2日目は、医療分野に関する講義と演習を行いました。午前中は初日に引き続き、FACILの吉富さんから「医療現場のコミュニケーション~だれもが暮らしやすいまちをめざして~」と題して、医療通訳の必要性や課題などについてお話しいただきました。
午後からは、言語別のグループに分かれて通訳演習を行いました。
教育分野(講義・演習) 7月2日(土) 13:00 – 16:00
講座3日目は、教育分野に関する講義と演習を行いました。前半は、FACILの吉富さんから「地域の多文化な子どもたち~日本における教育現場の現状から~」と題して、外国にルーツをもつ子どもたちの背景や、言語形成やアイデンティティ確立に関する課題などについてお話しいただきました。子どもたちの置かれている状況について学ぶ貴重な機会になりました。
後半は、言語別のグループに分かれて通訳演習を行いました。
登録ガイダンス・面接 7月3日(日) 10:00 – 12:00
講座最終日は、登録ガイダンスと面接を行いました。
講師
コーディネーター
吉富志津代(NPO法人多言語センターFACIL理事長)
言語別演習
ポルトガル語(医療)
中萩エルザ(在名古屋ブラジル総領事館ブラジル人民委員会 SABJA-Disque-Saude医師)
ポルトガル語(教育)
野中モニカ(天理大学スペイン語・ブラジルポルトガル語専攻准教授)
英語
細田恵(コミュニティ通訳)・山口妙子(コミュニティ通訳)
中国語
李海冰(しまね国際センター職員)
参加者の声
- 外国人と日本人と線引きをせずに、同じようにそこに住む住民であるという意識をしっかりもつことが大切であると思った。
- 当事者の課題を解決するためのお手伝いはもちろん、社会的弱者としての外国人の存在を地域の方に理解してもらうきっかけの一つを提供する役割を担うことになるように思えた。
- 様々な文化をもった子どもたちがいるということが日本の教育現場が変わるチャンスでもあるということを知った。
- 単なる通訳のみでなく、当事者の自立への配慮も大切であることが理解できた。
- 数々の実践をこなされた方から、様々なスキルを教わった。
- 極めて実践的だった。また、多くのアドバイスをいただき良かった。
担当: 仙田