~外国につながる人たち~(4)ズソワ・エブゲーニアさん
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ロシアの大学で日本語を専攻し、昨年4月に島根県立大学浜田キャンパスに来たズソワさん。日本語の更なる上達を目指し、訪日後すぐにホテルフロントでのバイトを始めたそうです。外気温8度(取材時、12月)の西部支所で、まずは「日本の冬もなかなか寒いでしょう?」と聞いてみました。
ズソワさん:本当に日本は暖かいですね!ロシアは今マイナス10度くらいだと思います。出掛ける時は、暖かいコートに、ブーツ、帽子、手袋にマフラーをして出掛けます。家の中は暖房があって、室温は25度くらいになります。室内の暖房はエアコンではなくて、壁の中を温かい水が通っています。だから、家の中では半袖に裸足で大丈夫です。
SIC:日本では冬にクリスマスやお正月等いろいろな行事がありますが、ロシアはどうですか?
ズソワさん: 宗教によって違いますが、ロシアでよく祝われるクリスマスは、毎年12月25日ではなく、1月7日です。伝統的なクリスマスの過ごし方は、家族で教会に行って、お祈りをして、家に帰って食事をして、夜になったら占いをします。いろんな占いがありますが、占うのは来年のことなどです。女の子は将来の旦那さまのことを占ったりもします。でも最近若い人たちはパーティーのような感じで友だちとクリスマスを過ごしています。クリスマスに食べる特別な物はありませんし、クリスマスツリーもありません。でもお正月の時は、ロシア独特のツリーを飾って、シャンパンで乾杯をして、みかんを食べます。
SIC:お正月のお祝いにツリーとみかん??
ズソワさん:みかんはロシアのお正月のシンボルという感じですね。たぶん全部輸入だと思います。いつからお正月にみかんを食べるようになったのかはわかりませんが、私が小さい時からずっとそうでした。もちろん、他の料理もありますから、みかんだけ食べるわけではありません。お正月には見た目は日本のクリスマスツリーのような「お正月のヒノキ(ёлка(ヨールカ))」と呼ばれるツリーをそれぞれの家で飾ります。
SIC:シャンパンで新年を迎えるって素敵ですね。でも、お祝いなのにウオッカは飲まないんですか?
ズソワさん:もちろんウオッカはロシアのお酒ですけど、飲む人はあまり多くないと思います。一番多いのはビール、それからワインとかシャンパンとか。ウオッカは強いお酒ですし、体に悪いから飲まないと言う人も多いです。
SIC:ロシアには他にどんなお祝いがあるんですか?
ズソワさん:3月8日の世界婦人デーとか、2月23日の男性の日とか…、ロシアで、2月23日は祖国防衛軍の日です。ロシアには徴兵制があるので、男の人は高校か、大学を卒業した後、1年間軍隊に行きます。だから、軍隊の人達、つまり“男の日”です。それとお休みではありませんが、2月14日のバレンタインもあります。告白の日ではなくて、彼氏が彼女にプレゼントをする日です。プレゼントはお花でも、チョコレートでもなんでもいいです。ロシアでは好きな人への告白は普通、男の人から女の人にします。日本は女の人から男の人もありますよね?ロシアはないです(笑)。
SIC:違いますね(笑)。冬休みはどう過ごす予定ですか?
ズソワさん:冬休みは宮島に行きたいと思っています。宮島に行きたいレストランがあります。蠣のレストランです。日本料理が美味しいから、日本に来て太りました。日本で初めて刺身、寿司を食べました。本当に美味しいですね。家でカレーライスもよく作ります。鍋も好きで、スーパーで売っている鍋の素をいろいろ買って食べていますが、どれも美味しいです。一番好きなのはもつ鍋です。福岡で初めてもつ鍋を食べて美味しかったから、それがきっかけで鍋料理が好きになりました。
SIC:もつ鍋!!私も大好きですが、“もつ”が食べれるんですね。
ズソワさん:“もつ”ってなんですか?あれは動物の内臓なんですか?!初めて知りました!でも、大丈夫です、好きです。
■最後に
日本来てまだ1年未満ですが、来日後すぐの夏休みには福岡のお寿司屋さんにアルバイトに行ったり、東京で開催された学会に一人で新幹線に乗って参加したり、浜田を拠点に日本のいろんなところに行き、驚くぐらいたくさんの経験をされているようです。原動力は「日本語が上手になりたいから!」、異国の地で物怖じせずに毎日を楽しむズソワさんに元気をたくさんもらいました。
(公財)しまね国際センターは~外国につながる人たち~を応援しています。