SICレポート

平成24年度災害時外国人サポーター実地訓練(浜田)

時期
: 2012年11月4日(日)
会場
: 三隅港臨海工業団地(浜田市)
参加人数
: 19(災害時外国人サポーター11、外国人住民8)人

■内容

 島根県総合防災訓練において、災害時の外国人支援を行う「災害多言語支援センター」の設置・運営訓練を行いました。 島根県立大学浜田キャンパスの留学生や浜田市内のALT、地域で暮らす外国人住民などが、外国人被災者として参加し、トリアージ訓練やサポーターの通訳訓練に協力しました。島根県立大学の学生で東日本大震災でボランティア活動に携わってきている「県大ねっこわーく@島根」からの有志も、サポーターとして一緒に活動しました。
 防災訓練は、地震が発生し、それにより津波も襲来したという設定で、様々な災害関係機関の訓練が行われました。SICは、災害多言語支援センターを立ち上げ、会場に多言語表示を掲示したり、外国人に必要な情報を多言語(英語・中国語・韓国語・ロシア語等)に翻訳したり、外国人被災者のための通訳訓練を行いました。
 また、展示ブースでは、活動パネルや防災用品、防災車両等の展示のほか、起震車による地震体験やエアテントを使用した煙体験、水消火器の体験コーナーもあり、外国人参加者は、サポーターの説明を受けながら体験できました。
 しまね国際センターでは、「県大ねっこわーく@島根」と「JICA中国」との共同展示を行い、それぞれ、災害時の外国人支援、被災地における学生ボランティアの活動、海外における緊急援助活動についてのパネルを展示しました。

*市主催で行われた防災訓練では、昨年度の浜田、今年度の出雲において、同様の訓練を行いました。島根県主催の防災訓練への参加は今回が初めてです。そして、今回初めて訓練中の放送の一部を英語と中国語でもアナウンスしました。

■参加者の声

災害時外国人サポーター
・災害が起きたとき、被災するのは日本人だけではなく、外国人の方も日本人と同じように被災するのだと改めて気づかされた。これからはもっと広い視野で災害時の支援について考えていきたいと思った。
・実際にどこまで通訳サポートできるのか、難しさも感じたが、実践する場があったことで、問題点がわかったのではないか。
・多言語で書かれた看板を掲示するという活動は、考えたこともなかったが、とても勉強になった。

外国人住民
・よい経験だった。
・災害時に自分がどうすべきかについてもう少し学びたかった。
・自分はアレルギーがあって、非常食を食べることができなかった。本当の緊急時、とても空腹になる。

■事業の成果と改善すべき点

様々な機関が参加する中での防災訓練に一緒になって訓練できたことは、いろいろな機関の方に外国人支援や活動について知っていただく機会になりましたし、こちらも同様に様々な機関のことを知る機会にもつながったと思います。
また、サポーターの中で初めて訓練に参加する人にとっては、「災害多言語支援センター」の活動を実践的に体験していただく機会につながり、また過去に参加したことある人にとってはりマインドの機会になったと思います。
前回の反省点を踏まえ、「災害多言語支援センター」の運営もサポーターの方に携わってもらえるようにしました。

■担当者のつぶやき

 災害は規模や発生地域、災害の内容によって、被災状況も様々でニーズも変わってくることが想定されます。このような訓練の積み重ねで、ノウハウ等を考えていただくことは大切だと思います。
 また、実際のサポーターの活動は、発災後、しばらくしてからになるため、外国人住民自身の防災意識を高めて、災害や防災について知ってもらうことが大切だと思います。そして、「緊急地震速報」等の災害に関する緊急的情報をどのように日本語がわかりにくい方へより早く伝えていけるかは課題だと思います。

2012年11月20日
担当:目次

写真 災害多言語支援センター

写真 多言語支援センターでの活動(多言語表示シート作成)

写真 多言語での表示

写真 起震車体験

写真 トリアージ(けが人役の外国人住民へのサポーターの通訳)

写真

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