SICレポート

災害時外国人サポーター養成研修 in 出雲(2回目)

時期
: 2012年9月1日(土)
会場
: 出雲市立斐川西中学校
参加人数
: 36(災害時外国人サポーター16名、外国人住民20名)人

■内容


 8月12日(土)に出雲市で開催した1回目に続き、実地研修として「出雲市防災訓練」に参加しました。外国人住民の方のも訓練に参加し、防災意識の向上や地域とのつながりを持つことにつなげました。
 この防災訓練では、第1部「豪雨による水害・土砂災害を想定した訓練」、第2部「大規模地震を想定した訓練」が行われ、訓練終了後は「展示・体験・見学」の時間もありました。
 外国人住民も被災したという設定で「災害多言語支援センター」を設置しました。「災害時外国人サポーター」が8言語での表示を作成して会場内に貼ったり、外国人負傷者へのトリアージにおける通訳を行いました。負傷者役の外国人が「救護所」へ運ばれる場面では、日赤等の救護スタッフへケガをしたときの状況等を説明しました。
 その他、訓練内容について外国人住民に説明をしたり、救助ヘリや救急車等への試乗、煙ハウスなどについて、通訳をしながら外国人住民と一緒にサポーターもいろいろな体験をしました。
 また、体育館では災害などに関するパネル展示が行われ、しまね国際センターからも「災害時の外国人支援」や、東日本大震災における他団体での外国人支援例などをパネルにより紹介しました。

・開会式・閉会式参加
・災害多言語支援センター設置
・外国人住民に関する通訳や翻訳の活動訓練
 (訓練の様々な場面の説明、トリアージにおける医療関係者への説明、炊き出し・発電機・災害伝言ダイヤル等の体験や見学)

*このような自治体の防災訓練時に参加する実地研修の開催は、昨年度の「浜田市防災訓練」に続き2回目です。

■参加者の声

災害時外国人サポーター
・普段、我々にとって当たり前であるトイレや受付の場所や道具の使い方を多言語に翻訳して伝えることがいかに難しいのか思い知らされました。
・協力することの大切さがわかりました。
・災害時についていろいろな知識を学びました。
・例えば給水器の使い方など気づかない所が外国人にはわからないということが実際に使ってみて初めてわかった。

外国人住民
・地震や火災時にどう対応するかがわかった。周りの人を手伝うことができるようになった。
・防災知識について、もっと勉強したい。
・災害時の訓練はとても重要で災害はどこでも起きることを訓練を通じて知った。
・機会があればまた参加したい。

■事業の成果と改善すべき点

 このような訓練では、サポーターにとっても外国人住民にとっても様々な災害時・緊急時の場面を見たり体験することができます。その時々の状況を見ながら通訳をしたり、通訳を介して理解することで、双方にとって非常時訓練と防災意識向上につながる機会になりました。
 また、災害関係機関に災害時の外国人支援について知っていただき、今後の連携にもつながるよい機会でした。外国人住民が県内で最も多い出雲市で地域防災訓練に参加し、出雲市や出雲市ボランティアセンター等と一緒に活動できたことは、意義深かったと思います。

 改善すべき点は、「災害多言語支援センター」としての活動訓練をもう少し具体的にできるように考えていくとよいと思いました。

■担当者のつぶやき

 このような訓練への参加が初めての方が多く(外国人住民は恐らくほとんどの方が初めてだと思います)、非常に関心をもち、場面によっては楽しみながらも参加されていて、自助意識の向上にもつながっていくと思います。
 外国人住民は主に「ことば・情報」の面で「災害弱者(災害時要援護者)」と言われていますが、災害時には高齢者、障がい者、子どもなど様々な方への支援が必要になります。そして定住する外国人が増えるなか、外国人住民の高齢者や障がい者など多重の弱者になることも想定できます。 何らかの形でいろいろな方と一緒に訓練できる機会があるといいと思いますし、日頃から外国人住民の方に情報が行き渡りやすいようにし、またいろいろな方が暮らしやすい地域づくりができたらいいと思います。

2012年9月 8日
担当:目次

写真 「災害多言語支援センター」設置

写真 「災害時外国人サポーター」とのミーティング

写真 トリアージ訓練における外国人負傷者役への通訳

写真 「発電機」の説明(中国語)

写真 「多言語支援センター」で多言語表示の作成

写真 救助用ヘリコプターの見学

写真 おつかれさまでした!

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