◆2. 通訳ボランティアを通して見えてきた日本人と外国人とのコミュニケーション上の課題
3年前にしまね国際センターに通訳ボランティアとして登録させて頂きました。それ以降、通訳として様々な場面に立会いましたが、とても複雑な気持ちです。
それでは、もっとも身近な外国人住民の生活に光をあてて、日本人と外国人とのコミュニケーションの課題について考えてみましょう。
◆アパートの中の小さな中国
私は2年前にある病院へ医療通訳に行きました。相手は10年前に来日した中国女性Aさんです。彼女は日本語があまり話せないので、普段は家事をしたり、近くに住んでいる中国の親戚と付き合うぐらいの単調な生活を送っているようです。こうした背景で彼女はこの10年間、日本語を話す必要性を感じずに過ごしてきました。また、日本語をおぼえようとしないので、友達のほとんどは中国人です。これでは社会で孤立し本当の日本人や文化を知ることができないと思います。
個人の性格によって溶け込める人とそうでない人がいますが、異文化を持った彼らを地域社会へ迎えいれた時、一方的に既存の枠にはめ込むだけでよいのでしょうか。これは個人の問題と社会の受け入れ方の問題と両方あるのだろうと思います。
彼らが培ってきた社会背景・風習や生活習慣を周囲の人々が理解しながら興味を持つことによってお互いが深い信頼関係を持つことが大切だと思います。
◆畳の上を歩く
ある晩、知り合いの中国からお嫁に来たBさんより電話がありました。彼女はすすり泣く声で「今日、また姑と喧嘩になりどうにもならない。どうしよう。」と私に訴えてきました。理由を聞いたら、なんと彼女はスリッパを履いて畳の上を歩いたので、姑さんに怒られたようです。でも彼女は、なぜスリッパを履いて畳の上を歩くことはだめなのかさっぱりわからないようでした。私はその理由を彼女に教えました。一応解決しましたが、この件で私はいろいろ考えました。このようなことが起きてしまった背景にあるのは、生活習慣の違いや日頃の姑さんとの付き合い方から起きてしまったことだと思います。なにより一番重要なことは当事者双方言葉が分からないのでお互いに理解し合うことが難しいことです。このような家庭内での日本人と外国人とのコミュニケーションについて、私達のボランティア活動を通し、家族のコミュニケーションを円滑にするお手伝いが必要ではないでしょうか。
◆本音と建前
ある会社で研修生を対象に日本語授業が行われた時,研修生Cさんに「先生、なぜ日本人はいつも遠回しな話し方をしますか?本音が分からないから、どういう風に付き合っていいのかさっぱりわからない」と言われたので、私はこのように説明しました。「日本は島国で人口が多い一方、領土が狭いので、お互いに摩擦を避けるために、できるだけ人に傷つけない言葉や濁す言葉を選んで話すのよ」と。このような説明が適切かどうかわかりませんが、彼女達の目に見えた日本人の言動には、日本という国の文化を形成させたルーツを理解しないと本当の日本を理解できず、日本社会に入り込めないと思います。ただ日本語を教えるだけではなく、日本人の考え方、やり方を彼らに説明していかなければ、互いに一体となって、会社の組織の中で成果を挙げるのは難しいと思います。
◆仕事がほしい
私が昔、日本語を教えたDさんは日本人と結婚して再び来日しましたが、3ヶ月経ってもなかなか就職できません。彼女は家に閉じこもり、日本語で十分に自分の気持ちを伝えることができないので、日本の家族との会話も片言だけです。友達も殆どおらず、仕事も見つからないので自立ができません。彼女の心の苦しさを誰も理解しようとしない現実があり、このような状態が長く続くと鬱病になりかねないと思います。
日本語がうまく話せないが故にハローワークに行っても仕事が見つからず、家に閉じこもり結局帰国せざるをえない方が非常に多い状況です。こういったケースは私が知っている限りたくさんあります。しかし、だれも社会の弱者に目を向けないのです。
つづく・・・
次回、第三回
◆今後必要な支援体制について



コメント(1)
Nice site you have!
from Lesbiche (2009年1月25日 19:46)